生活保護も年金もすべて税金でまかなえばいいのだ

少し前ですが、生活保護や年金、ワーキング・プアなどの問題を解決するための方法について述べた記事がありました。

» http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/855d2fe7c6f54dda2eeb83eab2e0178e

この問題の解決策も、フリードマンが45年前に提案している。負の所得税である。これは課税最低所得以下の人に最低所得との差額の一定率を政府が支払うものだ。
たとえば最低所得を300万円とし、あるフリーターの所得が180万円だとすると、その差額の(たとえば)50%の60万円を政府が支給する。
これなら最賃を規制しなくても最低保障ができるし、働けば必ず所得が増えるのでインセンティブもそこなわない
アメリカでは、これに似た勤労所得税額控除(EITC)が1975年から実施されている。


フリードマンの提案したのは、こうした生活保護を補完する制度ではなく、現在の所得税システムとともに生活保護公的年金も廃止し、課税最低所得の上にも下にも(正または負の一定率の)フラット・タックスを課すことによって、福祉を税に一元化するものだった。
これによって税制は劇的に簡素化され、厚生労働省を廃止すれば、きわめて効率的な福祉システムが可能になる。


ただ、この方法には一つだけ大きな問題があるようです。

しかし、まさにその効率性が原因で、負の所得税はどこの国でも実施されていない。大量の官僚が職を失うからである。

このやり方にすれば、まず社保庁なんて不要になるし、厚生労働省の旧厚生省部分もほとんどカットできるし、他にもかなりの範囲にわたって行政のスリム化が実現できるはずです。

現在の非効率な「福祉国家」では、移転支出のかなりの部分が官僚の賃金に食われている。それを一掃して負の所得税に一本化すれば、現在の生活保護よりはるかに高い最低所得保障が可能になろう。

実際にやろうとすれば激しい抵抗にあうことは容易に想像できますが、そういうときこそ政治家のリーダーシップが発揮されるべきですね。


この問題はいずれもっと深く掘り下げて書いてみたいと思います。